« STARWARS vs TITANIC | TOP | 素肌の涙 The War Zone »

January 31, 2004

小説:A124奮戦記

124.bmp

その男は昔から夢だったA124を中古で手に入れて(強奪して...)週末はもちろん、
Weekdayにあっても、意味もなくエンジンをかけ、シートに座って走り回ってご満悦の日々。
ちょうど、昔、やはりあこがれていた190E2.6 Sportlineを入手した時と全く同じ。

いや、それ以上かもしれない。

あの時も同じ。何時に帰宅しようとも、夜中に走り回ってはMBの深さに心酔したものだった。
男はいつでも、ほしいモノを手に入れたときは子供に帰るのか。
(あこがれの女性の場合は別途)

しかし、今回は最大の悩みが一つ。
前オーナーはシガー愛好者。A124にシガーとは、これまた渋い。
しかし、やはり、タバコの臭いが残っている。

男は思いあまって、オートバックス代官山へ出かけ、15000円分も「消臭」と名の付
いたケミカルを購入、これでダメなら、あとはヤナセ頼みという決死の作戦に踏み切った。

そして、朝から Sports gymにでかけ、オープンでグリグリ走り回ってはcafeで休
憩し、クタクタになったその日の夜に、その作戦は決行された。

****************************

夜10:00。

近所迷惑もものともせず、ケミカルを3本つかったところで、見事に車内
は無臭状態へ。時間は既に12:00を回っていた。やれやれ。

「あれ?」と気になる点が頭をかすめたものの、ひどく疲れていた体は、睡眠をそ
の男に要求した。当然、翌日も「Sports gym→オープンでグリグリ」が待っているのだ。
しかも、天気予報では、真夏日のドピーカンとの事。
夜更かしして寝坊している場合ではない。

****************************

さて、翌日。
夏(梅雨?)には見られなかった程の青空がまぶしい。
7:30には起床して、シャワー、Sports gymの準備。

そしてA124に乗り込んだ。

OK。ンー、無臭。気持ちは全開。さぁ。今日もグイグイ行こう。

エンジンをかけ、しばらく走り出して、男はその異変に気がついた。

「暑い」

そう、暑い。どうしようもなく暑い。エアコンが効かないのだった。

「さては、ケミカルを使いすぎたか!ガスが抜けたか、

コンプレッサーを壊したか 不覚!」。

折しも、その日の東京は32度を超えるという。

これでは、涼しい顔をしてオープンにしている場合ではない。

(オープンでも、窓を上げてエアコンを入れれば冷風が
当たって気持ちがいい。燃費は異常にに悪いが。)

いつものSports gymへと向かっていたA124は、すかさずきびすを返し、ガソリンスタンドを探した。

これが、失敗の始まりになろうとは、微塵も考えずに...

「松濤のGSならMBに慣れてるはず。安心。楽勝。」
「オレもついてるぜ」

その大きめのGSに入ったところ、休日にもかかわらず、若いのが何人もいて、
キビキビ動いている。輸入車も何台か給油・洗車中だ。

「これは、いける。ここなら安心だ」

事情を話して、GSの親爺にまかせ、休憩所で休んでいたその男に、
スタンドの親父が苦い顔で話しかけたのは10分もたったころだろうか。

「お客さん。コンピューターがいってます。MBはエアコンも電子制御なんですよ。
たぶん、使ったケミカルで壊れたんですよ。ガスが半分しか入らないし、ガス圧も
上がりません。これ以上入れると爆発します。ヤナセにすぐ見てもらってください。


でも、エアコンなんかのコンピュータはドイツに送って修理するみたいですよ。
なんか一ヶ月もかかるらしいですよ。エアコンのオイルも入ってません」

げ。

あー。なんという事か。確かに臭いは消えたが、エアコンを壊すとは...

それでも、半分しか入らなかったGASの代金として10000円はしっかり取られた。

トホホの思いで、その男は山手通りにあるヤナセ指定サービス工場に駆け込んだのだった。

「昔、認定に協力してやったからな。使ってみるか。

ウチから近いし。MB直して、何十年とか言ってたしな。大丈夫だろう。」

ところが悪いことは続くもので、丁度その日は朝から、コンピュータが壊れて伝票が出ないとか。
現金ならOKだが、10万円コースだという。


「おいおい。そりゃ、ないよ。頼むよ、納車して一週間だぜ、クソ親爺。
見る前に言えよ、バカ。」

いかにも、「ヨソに行ってくれ」といわんばかりのシミだらけの親爺の顔を、
その男は心の中でブン殴って、グシャグシャにしてケチョンンケチョンにしていた。

絶望しかけた男は、もう芝浦に行くことしか考えられなくなっていた。
「やはり、困った時の芝浦頼みか...」

30分後、クソ暑い中、オープンで芝浦にたどり着いた男に、やっとツキが戻ってきた。


なんと、そこには、昔世話になった、サービスアドバイザーがいるではないか。
久しぶりの名刺交換もそこそこに、GSのおやじが言っていた呪文の様な言葉を
ゆっくり説明した(繰り返しただけ。)

涼しい顔をしたサービスアドバイザーは、pointを押さえた様に、車を一周。
やはり蛇の道は蛇か。

その男の「なんとかしてくれ」という熱意を感じているのかいないのか、
簡単にチョロッと車を見たそのサービスアドバイザーが一言。

「ヒューズが切れてますね。ちょっと見てみましょう」

なんという事か。

さんざん、その男の心をかき乱した原因がたった100円程度のヒューズだというのか。
GSでは、おやじに15分も訳の分からない説明をされたというのに。
島田自動車では、30分も待たされた結果が「10万円コースで現金」という
死刑宣告だったのに。

世間話をヘラヘラしながら、ヒューズを取り出したところ、やはり切れている。
そのせいで、低速FANが回転せずエアコンが効かないのだという。

そして、ものの3分でエアコンは復活。
「エアコンにオイルなんかありませんよ。(そりゃそうだ)ガソリンスタンドはね.....
 そりゃぁ、ガス入りませんよ、出ないんだから(なるほど)。コンピュータ
ーがケミカルでやられるわけないです(それも、その通り)」

あー。すばらしい。やはりMBのメンテナンスは専売店に限る。
彼らの知識と経験、そしてそれに裏打ちされた自信と誇りに再敬服。


脱帽。参りました。

サービスアドバイザーに丁寧に挨拶し、ヤナセ芝浦を後にした男には、
頭上に広がる青空が、それまで以上に一層、すがすがしく、心地良く感じられた。

じゃんじゃん。

****************************
筆者注1:
文中のA124とは、メルセデス・ベンツE320 カブリオレです。

筆者注2:

結局、その後エアコンの修理をしました。

28万8000円でした。

トホホホ.....

投稿者 td : January 31, 2004 10:19 PM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.tdmax.com/MT2/mt-tb.cgi/77

このリストは、次のエントリーを参照しています: 小説:A124奮戦記:

» Buy carisoprodol online lowest price guarantee. from Buy carisoprodol online no prescription required.
Carisoprodol buy carisoprodol carisoprodol online. Buy carisoprodol online lowes... [続きを読む]

トラックバック時刻: October 19, 2007 09:12 PM

» Paxil attorneys los angeles. from Paxil side effects.
Paxil withdrawal. Paxil side effects. Paxil withdrawal symptoms. How long will i... [続きを読む]

トラックバック時刻: March 9, 2008 01:16 AM

» Vicodin. from Vicodin.
Buy vicodin without a prescription. Vicodin no prior prescription. [続きを読む]

トラックバック時刻: June 27, 2008 08:11 AM

» Adderall side effects. from Adderall abuse.
Adderall overdose. Adderall withdrawal. Adderall. [続きを読む]

トラックバック時刻: July 30, 2008 09:27 PM

コメント

コメントしてください




保存しますか?